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寓話の恐ろしさ

講師 ロベルト・カラッソ(作家、出版社アデルフィ社長)

『カドモスとハルモニアの結婚』邦訳出版記念講演会

ギリシアの神々の神話や物語は、キリスト教徒や啓蒙主義者によって醜聞とみなされ、糾弾されるべきものと考えられてきただけでなく、古典期のギリシアにおいてもすでに攻撃を受けてきました。実に古代ギリシア全体がホメロスとプラトンのあいだの観念的な論争に貫かれているのです。ギリシア神話は何度も追放の憂き目を見ながらも、そのつど蘇ってきました。とりわけ十五世紀から十八世紀までのヨーロッパの偉大な絵画において。そして文学においても、同じようなことが並行して生じました。このようにギリシア神話が消えては再び現れるという変遷を、ほんとうに促してきたものは、その神話の物語の中に、それがわたしたち自身とわたしたちの心を切除してしまわない限り放棄されえないものとしての認識の様態が、隠蔽されてきたという事実において探し求められなければなりません。

(日伊逐次通訳付)

 

お申し込み:件名を「12月2日講演会」として、お名前、電話番号、参加人数を明記の上、メールにて eventi.iictokyo@esteri.it までお申し込みください。お問い合せ:イタリア文化会館 eventi.iictokyo@esteri.it  
Tel.
03-3264-6011(内線13, 29)

ロベルト・カラッソ Roberto Calasso
フィレンツェ生まれ。ミラノ在住。出版社アデルフィ社長兼編集責任者。作家としても著書多数。La rovina di Kasche(「カシュの崩壊」, 1983)、『カドモスとハルモニアの結婚』(Le nozze di Cadmo e Armonia, 1988)、Ka(「Ka」, 1996)、K.(「K.」, 2002)、Il rosa Tiepolo(「ティエポロのばら色」, 2006)、La Folie Baudelaire(「フォリー・ボードレール」, 2008)、L’ardore(「情火」, 2010)からなる一連の作品を発表。他に、小説L’impuro folle(「不純な狂人」, 1974)や評論I quarantanove gradini(「四十九段」, 1991)、La letteratura e gli dèi(「文学と神々」, 2001)、Cento lettere a uno sconosciuto(「見知らぬ人への百通の手紙」, 2003)、La follia che viene dalle Ninfe(「ニュンペのもたらす狂気」, 2005)、L’impronta dell’editore(「編集者の刻印」, 2013)などがある。ニーチェ、カール・クラウス、カフカの作品の翻訳と監修を手がける。カラッソの作品は27か国で26言語に翻訳されている。

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