「どこでもいい、なにもない空間-ーそれを指して、わたしは裸の舞台と呼ぼう。ひとりの人間がこのなにもない空間を歩いて横切る、もうひとりの人間がそれを見つめるーー演劇行為が成り立つためには、これだけで足りるはずだ。」
(ピーター・ブルック『なにもない空間』, 高橋康也・喜志哲雄訳, 晶文社, 1971)
私たちの行為や語りのなかで、普遍的なものとは何だろうか。
あるひとつの作品の真髄を解き明かすために、なくてはならないジェスチャー、根源的なもの、エッセンスとはどんなものだろうか。
私たちは、イタリア演劇と文学のなかでもっとも重要な作品を3作選び、そのエッセンスを探求しました。作品を吟味し、掘り下げると、そこに、ジェスチャー、イメージ、テーマ、あるいは人間の普遍的行動が浮かび上がってきました。
そして私たちは、それらに形を与えました。
演劇と映像を横断する探求と創造的統合の試み
イタリアと、その深遠な文化へのオマージュ
プログラム
19:00 - 19:05
開会のご挨拶
19:05 - 19:30
公演「エッセンス」の動画配信に先立ち、出演者のマッテオ・チョニーニ、ヤコポ・テアルディ、 マーラ・スカッリの3氏と演出家のパオロ・アルレンギ氏が、トリノのチルコロ・デイ・レットーリ財団から、生中継でプロジェクトについて話します。司会はパントマイム・アーティスト、講師の細川紘未氏です。(使用アプリ:Zoom, 日伊同時通訳付)
19:30 - 19:50
公演の動画配信(公演動画はイタリア文化会館のYouTubeチャンネルからご覧いただけます)
19:50 - 20:00
Q&A ならびに閉会のご挨拶
上記4名が視聴者の皆様のご質問にお答えします(使用アプリ:Zoom, 日伊通訳付)。
ウェビナーに参加するためのリンク:
https://us02web.zoom.us/j/85433821114
(Zoomの使用方法に関しては、こちらをご参照下さい。)
ひとりは誰でもなく、また十万人
Uno, nessuno e centomila
作:ルイジ・ピランデッロ
出演:マッテオ・チョニーニ
このマルチメディア作品では、自我の崩壊、我々が日々かぶっている仮面の数々、アイデンティティの危機といった、この小説の中心テ-マを探求しました。
椿姫
La Traviata
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
出演:ヤコポ・テアルディ
愛と別離、そして死の物語。人間にとって普遍的なテーマが手の動きだけによるパフォーマンスで表現されます。この独創的な表現方法はヤコポ・テアルディによって創り出されました。
宿屋の女主人
La locandiera
作:カルロ・ゴルドーニ
出演:マーラ・スカッリ
魅了と嫌悪、欲望と拒否、皆がもっているこうした感情や衝動によって、私たちは愛し合ったり、衝突したり、戦ったりします。この作品では、女主人や彼女を取り巻く男たちのさまざま衝動が、シンプルで力強いジェスチャーで表現されます。登場人物を丹念に研究した結果が、スカッリの身体表現に凝縮されています。
原案:マッテオ・チョニーニ
演出:パオロ・アルレンギ
出演:マッテオ・チョニーニ, ヤコポ・テアルディ, マーラ・スカッリ
主催:イタリア文化会館, ピンダリカ・シアター・カンパニー
協力:ブルー劇場, アトリエ・テアトロ・フィジコ