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トンボ~写真家マリア・パンスィーニ パラサイクリング選手を撮る

東京2020オリンピック期間中、イスティトゥート・ルーチェ・チネチッタのアーカイブからローマオリンピック(1960年)と東京オリンピック(1964年)の映像を紹介しましたが、今回のパラリンピック開催を機に、写真家マリア・パンスィーニがパラサイクリング選手を撮った作品55点をエキジビションホールのスクリーンに映して紹介します。
また、パンスィーニの写真2点は、EUNIC(文化交流に従事する欧州の機関を結ぶネットワーク)の主催で8月18日から9月6日まで都政ギャラリーで開催されるプロジェクト「SPIRIT IN MOTION FOR DIVERSITY & INCLUSION」で展示されます。

画像はメインエントランスのあるピロティより7時から22時までの間、ガラス越しにご覧いただけます。

展覧会で上映される動画のショートヴァージョンはこちらからご覧いただけます。

お問い合せ: eventi.iictokyo@esteri.it

 

マリア・パンスィーニ Maria Pansini 写真家
ミラノのCFPバウアー・スクールで写真科を修了した後、歴史・人類学を専攻し近代人文学の学士号を取得。イタリア南部プーリア州の州都バーリの写真・映画学校「フィオリート・F.プロジェクト」で写真史や批評を教えている。ジャーナリズムや音楽イベントでの経験が豊富で、美術館やギャラリーで数多くの個展やグループ展を開いている。
現在バーリ在住。写真家としての活動の他、写真文化を普及するための講座やワークショップ、イベントを手がけている。

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今年の夏、東京でオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。この世界最高峰のスポーツの祭典は、新型コロナウイルス感染拡大のため中止も危惧されるなか、未だかつてない状況下で行われます。
しかしアスリートたちは今回もベストを尽くすために、この重要な大会のために練習を続け準備を重ねてきました。8月24日から9月5日まで開催されるパラリンピックに出場する自転車競技の選手たちもまた然りです。
彼らは人間の強さや勇気、適応力や変容力を体現しており、障害があっても果敢に自転車に乗り、トンボのように「飛ぶ」のです。
自由、順応性、変化、優美、均衡、心や感情のコントロール、変容、希望。トンボが象徴することは数多くあります。日本はその気候と豊かな水のお蔭で、トンボの生息には理想の地であり、過去には「トンボの島」と呼ばれたこともあります。さらにトンボは日本では、成功、力、勇気、幸運の象徴ともされています。
私は数か月にわたるイタリアナショナルチームのパラサイクリング選手の練習や、2017年に南アフリカで開催されたパラサイクリング世界選手権ロード大会を追い、大変な傷害を受けた後でも力強く立ち上がり、強靭な意思を速さやエネルギーに変えて戦った素晴らしい選手たちを撮影しました。
世界チャンピョンのルーカ・マッツォーネ、昨年の事故で残念ながら今年はその姿が見られないアレックス・ザナルディ、そしてフランチェスカ・ポルチェッラート、パオロ・チェッケット、ディエゴ・コロンバーリ、ヴィットリオ・ポデスタ、リータ・クックルなど、マリオ・ヴァレンティーニ監督のもと集ったナショナルチームの選手たちをレンズに収めました。
なかでも、世界最強のハンドバイク選手で、何度も勝利し「ハンニバル」の異名をもつルーカ・マッツォーネに焦点をあてて撮った作品は、2017年の大会で撮影した写真群のなかで、ひとつのセクションを作っています。

2021年7月
マリア・パンスィーニ
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  • 主催: Istituto Italiano di Cultura di Tokyo