第5回フォスコ・マライーニ賞授賞式開催のご報告(2021年12月13日更新)
フォスコ・マライーニ(1912-2004)は民族学者、写真家、登山家、詩人、作家として、さまざまな分野に関心をもつ、他に類をみない日本研究者でした。伊日両国をつなぐ大きな役割を果たしたマライーニの名前を冠した本賞は、日本におけるイタリア文化への理解と関心を促進することを目的として、2013年に創設されました。同賞は1978年から2007年まで続いた「マルコ・ポーロ賞」(過去受賞作一覧PDF)を継承するものです。
去る12月8日、イタリア文化会館にて、以下の通り第5回フォスコ・マライーニ賞授賞式が行われました。
◆受賞作◆
『転生するイコン――ルネサンス末期シエナ絵画と政治・宗教抗争』
(松原知生、名古屋大学出版会、2020年1月)
◆式次第◆
挨拶 アルベルト・マナイ(イタリア文化会館館長代理)
選考委員紹介 小佐野重利氏(委員長)、亀長洋子氏、小谷眞男氏、竹山博英氏、前田恭二氏
受賞者発表・総評 小佐野重利氏(東京大学大学院名誉教授、同大特任教授)
賞贈呈(賞金50万円)
受賞者挨拶 松原知生氏(西南学院大学教授)
◆選考の流れ◆
2019年7月から2021年6月までの間に日本国内で出版されたイタリアに関する優れた著作41作から選考委員5人が3冊ずつ選び、その集計により、2021年8月、最終候補が6冊に絞り込まれました。最終選考は10月26日に行われ、オンライン参加を含めて、委員それぞれに本賞の趣旨を踏まえ、検討した見解を提示。その結果、全員が一致して松原氏の著作を支持し、第5回フォスコ・マライーニ賞を授与することに決まりました。
歴代授賞作品
第1回授賞作(2013)
『イメージの地層 ルネサンスの図像文化における奇跡・分身・予言』
(水野千依、名古屋大学出版会 2011)
第2回授賞作(2015)
『公共善の彼方に 後期中世シエナの社会』(池上俊一、名古屋大学出版会 2014)
第3回授賞作(2017)
『訴える人びと イタリア中世都市の司法と政治』(中谷惣、名古屋大学出版会 2016)
第4回授賞作(2019)
池上英洋『レオナルド・ダ・ヴィンチ 生涯と芸術のすべて』(筑摩書房 2019年5月)