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イタリアの芸術伝統と能における「光」 -大倉源次郎とルカ・ヴェジェッティによるトーク

大倉源次郎とルカ・ヴェジェッティによる「夢の解剖―猩々乱関連トーク。世田谷美術館学芸員の塚田美紀が進行役をつとめます。

16世紀末に書かれた演劇理論のテキストを手がかりに、本トークではイタリアの芸術、とりわけ舞台芸術の伝統のなかで光がどのような性質をもち、またどのように機能してきたかに注目します。能あるいは日本の芸術全般における光のありかたと比較することで、違いは際立ってくるでしょう。

イタリアの場合、演劇における表現の手段として、照明が進化してきました。それは少なくともある時点以降、造形美術において光が重要な役割をもつようになってきたことと大いに関連しています。他方の能では、物理的な要素としては、光が表現上重要な価値を与えられているわけではありません。にもかかわらず、詩的な宇宙のなかで能が演じられるとき、光はみえないかたちでそこに現れるのです。

この対話は、ルカ・ヴェジェッティが構成・演出した世田谷美術館でのパフォーマンス「夢の解剖―猩々乱」に関連して行われるものです。同館の独特の建築空間のために構想されたこのプロジェクトは、光を用いることによって、能の伝統的なパフォーマンスを空間になじませ、新たなものとして想像できるように企図されたものです。

 

お申し込み方法:こちらをクリックしてください。
お問い合せ: eventi.iictokyo@esteri.it 

※新型コロナウイルス感染症予防のため、入場者の人数制限をして開催します。

ご来場のお客様へのお願い
・発熱や風邪、嗅覚異常や味覚障害の症状がある方、体調がすぐれない方はご来場をご遠慮ください。
・ご来場の際にはマスクの着用をお願いいたします。
・ご入館時には検温をさせていただきます。その結果、37.5度以上の発熱が認められた場合、入場をお断りいたします。
・飛沫感染予防のため、会話はできるだけお控えください。
・館内では石けんや手指用アルコール消毒液を使用しての手洗いにご協力をお願いいたします。

 
ルカ・ヴェジェッティ
1963年ボローニャ生まれ、ミラノ・スカラ座附属バレエ学校で学ぶ。1990年より振付家・演出家として活動、現代音楽に関心を寄せつつ、多様な表現メディアを横断。作品はニューヨークのグッゲンハイム美術館パフォーマンスシリーズ「Works & Process」、メトロポリタン美術館、マーサ・グラハム・ダンスカンパニー、パリのシテ・ドゥ・ラ・ミュジックなどで制作・上演され、高い評価を得て来た。

おもな作品に、ヤニス・クセナキス「オレステイア」完全版合衆国初演(ミラー・シアターとグッゲンハイム「Works&Process」の共同制作、2008年、)、カイヤ・サーリアホ作曲のバレエ「Maa」(同、2010年)、細川俊夫作曲のオペラ「斑女」日本初演(サントリーホール、2009年)、同モノドラマ「大烏」米国初演(第1回ニューヨークフィル・ビエンナーレ、2014年)、原案・演出・振付を担当した「左右左」(横浜能楽堂とジャパン・ソサエティ〈ニューヨーク〉の共同制作、2017年)など。近年の仕事に、ジェローム・ロビンス作品の再読・新演出を手掛けた「Watermill」(ネクストウェーヴフェスティバル、BAM、ニューヨーク、2018年)、クセナキス作曲「Kraanerg」(ボローニャ歌劇場、2018年)、2019年、アーノルド・シェンベルグ作曲「ペレアスとメリザンド」(オーデンベルグ、ドイツ、2019年)、「ペルス」(イタリア文化会館、東京、2019年)、映像作品「For a dance never choreographed」(2021年)、16世紀建立の元教会、サン・マッティアにて上演されたサルヴァトーレ・シャリーノ作曲オペラ「Infinito Nero」(ボローニャ、2021年)がある。

美術館のために創造した作品としては、「NOTATIONOTATIONS 」(ドローイング・センター、ニューヨーク、2013年)、パフォーマンス/ビデオインスタレーション「Scenario」(MART、ダンスフェスティバルOriente Occidente、ロヴェレート[イタリア]、2016年)、「風が吹くかぎりずっと―ブルーノ・ムナーリのために」(世田谷美術館、2018年)がある。

大倉源次郎
1957年、大倉流十五世宗家大倉長十郎の次男として生まれる。64年、 独鼓「鮎之段」にて初舞台。 85年、能楽小鼓方大倉流十六世宗家継承。通常の能公演はもとより、誰もが能に気軽に出会えるよう「能楽堂を出た能」をプロデュース、「近鉄アート館能」「六甲アイランド能」「叶匠寿庵薪能」などを制作。新作能、復曲能にも多く参加。海外公演ではこれまでパリ、ニューヨーク、ローマ、モスクワ、デリーほか25ヶ国の諸都市にてのべ30ツアー以上に参加。子供向けの能楽体験講座なども各地で開催。能楽のふるさと、奈良・多武峰での「談山能」も企画開催。2017年に重要無形文化財保持者となる。著書に『大倉源次郎の能楽談義』(淡交社)、『能から紐解く日本史』(扶桑社)がある。

  • 主催: Istituto Italiano di Cultura,Setagaya Art Museum