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第20回読書クラブ

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「読書クラブ」はそれぞれ参加者が自由に感想を述べあい、一緒にイタリア文学の魅力を再発見するアットホームな会です。
今回一緒に読む本は、ティツィアーノ・スカルパ『ヴィヴァルディと私』(中山エツコ訳、河出書房新社、2026年)です。

 

夜。孤児院は眠りに包まれている。少女たちは皆眠っている――ただ一人を除いて。彼女の名はチェチーリア、16歳。昼間は教会でヴァイオリンを演奏しているが、信者たちは若い演奏者たちの顔は見ることができない。彼女たちは目の詰んだ格子の向こう側に隠されているのだ。
夜になるとチェチーリアは、底なしの孤独に自分を見失いそうになる。毎晩チェチーリアはこっそり起き出し、自分だけの秘密の場所へ向かう。そして、最も近しく、同時に最も遠い存在――自分を捨てた母親へ手紙を書く。

「でも、これって本当に手紙って言える?まるで誰もいない中庭へ向かって窓から身を乗り出す抱擁とか、暗闇や空中、静寂に向かってキックやパンチをしているみたいな気持ちになる。」

彼女にとって音楽とは、数ある習慣のひとつにすぎず、鈍く繰り返される音の連なりでしかない。押し込められた高い桟敷席から、彼女はこう考える。

「音楽が上へ昇っていくとか、高みに達するとか、私は全然信じていない。むしろ音楽は落ちていくものだと思う。私たちは、それを聴きに来た人たちの頭上へ注ぎかけているんだ。」

こうして、ヴェネツィアのピエタ慈善院での日々が過ぎていく。そこでは若い孤児たちが芸術の無限の可能性に触れる一方で、礼儀や厳格な役割分担の枠の中に閉じ込められて生きている。だがある日変化が起き始める。最初はほとんど気づかないほどに少しずつ、やがて抑えきれないほどの勢いで。新しい作曲家兼ヴァイオリン教師がやって来たのだ。

若い司祭で、大きな鼻と銅色の髪を持つその男の名は、アントニオ・ヴィヴァルディ。

彼の音楽との葛藤に満ちた関係を通して、チェチーリアは自分の道を見つけていく。そして最後には、予想外の自立と反抗の行為へと踏み出すことになるのだった…。

 

作品情報
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309209494/
https://www.einaudi.it/catalogo-libri/narrativa-italiana/narrativa-italiana-contemporanea/stabat-mater-tiziano-scarpa-9788806171247/

注:『ヴィヴァルディと私』は、『スターバト・マーテル』(2011年、河出書房新社刊)の新装版です。また、本作を原作とする映画『ヴィヴァルディと私』(原題 Primavera)が、5月22日より全国公開されます。

 

日本語のみ(通訳なし)、どなたでもご参加いただけます。
参加希望の方は氏名、メールアドレスをご記入の上、下記宛先までお申し込みください。

Email: biblioteca.iictokyo@esteri.it (件名:「第20回読書クラブ参加希望」)

お申込みは6月8日(月)午前10時よりメールにて受け付けます。それ以前のお申込みは無効となりますのでご注意ください。定員(8名)に達し次第受付を締め切ります。一緒に素敵な読書体験をしましょう!

  • 主催: イタリア文化会館