ヴァチカン美術館正面入口ブロンズ扉の制作をはじめ、偉大な足跡を残してきた世界的巨匠チェッコ・ボナノッテ。日本とも縁が深く、奈良・薬師寺等日本各地での個展開催など定期的に来日するようになり40年以上が経ちます。東京にもアトリエを持ち、制作の合間には京都等各地を訪れ、日本文化への理解と造詣を深めてきました。
本展ではこれまで積み上げてきた日本文化へのオマージュを≪俳句≫≪能≫≪怪談≫という3部作で表現しました。彩色された板に日本人形の頭部を組み合わせるなど、過去のブロンズ彫刻からは一見異彩を放ちつつも、その背後にはボナノッテの一貫した美学、哲学が感じられます。それは、それぞれへの解釈-引き算によって無限の感情を生み出す俳句、生と死を象徴的に表現する能、現実と夢を往復する怪談-が、作家本来の表現と通底しており、響きあった結果なのです。
作家の日本文化への眼差しが単なる好奇心やオリエンタリズムをはるかに越え、制作哲学に大きな影響を与えていることを作品は物語ります。展覧会は最大9メートル幅の連作ミクストメディアを中心に構成します。
*10月16日(金)は都合により、17時に閉めさせていただきます。
お問い合せ:イタリア文化会館 eventi.iictokyo@esteri.it Tel.
03-3264-6011(内線13,
29)
チェッコ・ボナノッテ Cecco
Bonanotte 1942年イタリア生まれ。1959年ローマ国立美術学校彫刻家に学ぶ。1965年ローマにアトリエを構える。1971年ローマにて初個展。2000年ヴァチカン美術館正面入り口の扉≪ポルタ・ヌォーヴァ-新しい扉-≫設置。2006年パリ・リュクサンブール美術館のブロンズの大扉が完成、設置。2012年第24