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レッジョ・エミリア・アプローチ® セミナー・デイ

レッジョ・エミリア市の保育園・幼稚園における教育の実践

幼児教育施設における学習環境の計画と実現

第19回世界イタリア語週間の一環として、イタリア文化会館は革新的な幼児教育で世界的に有名なレッジョ・チルドレン(イタリア、レッジョ・エミリア)の講師、マリーナ・カスタニェッティを招き、レッジョ・チルドレンが推進するレッジョ・エミリア・アプローチ®を紹介する2日間のセミナーを行います。

 

レッジョ・チルドレンとレッジョ・エミリア・アプローチ®

レッジョ・チルドレン ~子どもたちの権利と潜在能力を護り、推進していくことを目的とする国際センター~

レッジョ・エミリア市の保育所、幼稚園等の教育向上のために1994年に設立。イタリア国内、また世界中でレッジョ・エミリア・アプローチ®として知られる。

レッジョ・チルドレンは、それぞれが異なりながら、全て関連している様々な活動を通して、レッジョ・エミリア・アプローチを推進し、幼年期の子どもたちが権利と可能性をあわせもった存在だという考え方を強く推し進めています。革新的で質の高い教育を提唱し、子どもや家族についての最先端の知識を持ったプロたち(教師、教育者、アトリエリスタ、教育学者、料理人など)が、これに携わっています。

以上を使命とし、レッジョ・チルドレンは地域、国家・国際的なレベルで、以下のような事業を行っています。

・育成コースの開催

・研究機関、各種団体、大学と共同で研究プロジェクトの推進

(主な協力機関:ハーバード大学、ドムス・アカデミー、MIT、シカゴ大学、ニューヨーク大学、CNR、ロンドン大学、ストックホルム大学、ニュー・ハンプシャー大学、西オーストラリア大学、モデナ・レッジョ・エミリア大学、ミラノ・ビコッカ大学、イタリア教育・大学・研究省)

・教育分野におけるコンサルティング活動

・各国の幼児のための団体、機関との協同企画事業への参加

・出版活動、22ヶ国語への翻訳

・さまざまな巡回展の運営

“I cento linguaggi dei bambini”「子どもたちの100の言葉」、“Lo stupore del conoscere”「驚くべき学びの世界」展およびローリス・マラグッツィ国際センターでの常設展。

・他のプロモーターと協同で、ローリス・マラグッツィ国際センターのプロジェクトや活動を運営:代表的なプロジェクト「アトリエ・チッタディーニ(市民のアトリエ)」、探検と学習の環境

2006年より、長期に渡り、常にレッジョ・チルドレンと様々な企画や活動を共にしている関係各国(現在33ヶ国)と、レッジョ・チルドレン国際ネットワークを組織。

 

2日間セミナースケジュール

セミナー1日目 10月25日(金)

11:00~12:30

教育の街、レッジョ・エミリア:その歴史、社会、文化、政治的背景

最初のプレゼンテーションでは、レッジョ・エミリア市およびそこで保育園や幼稚園の教育実践が発展した背景について紹介します。まず簡潔に大枠を説明することが、レッジョ・エミリアの独自性を理解するには不可欠です。子どもが教育を受ける権利に応えるために、歴史的・社会的・政治的観点を文化的・啓蒙的・教育学的な観点と結び付けて考えます。

 

14:00~15:30

レッジョ・エミリア市の保育園・幼稚園における教育プロジェクト

教育実践を支える理論・組織・理念

保育園・幼稚園の教育プロジェクトの中心は子どもです。子どもは、自ら人間関係や能力、判断力、知識などの学びを積み重ねていくことができる、クリエイティブな存在です。実際の教授記録を通して、理論・組織・理念における教育実践が、どのように結びついているか考えます。

 

17:00~18:30

保育園・幼稚園の一日

保育園・幼稚園での一日の生活を描いたビデオ二本を鑑賞します。毎日一緒に過ごすことの意義、計画的かつフレキシブルな組織の重要性、文化形成の場として、環境や園での暮らしを大切にすることなどが、描かれています。

 

セミナー2日目 10月26日(土)

11:00~12:30

レッジョ・エミリア市の保育園・幼稚園における教育プロジェクト

教育実践を支える理論・組織・理念

保育園・幼稚園の教育プロジェクトの中心は子どもです。子どもは、自ら人間関係や能力、判断力、知識などの学びを積み重ねていくことができる、クリエイティブな存在です。実際の教授記録を通して、理論・組織・理念における教育実践が、どのように結びついているか考えてみましょう。

 

14:00~15:30

学びと発想の場としての教育環境を整えるという考え方

保育園・幼稚園の教育プロジェクトの重要な特徴は、生活の場として、また子どもと大人がコミュニケーションを取り、関係を築くための場として、園内の環境や内外の空間に価値を置いていることです。子どもが置かれている教育環境は、子どもたちの学習経験や取り組むプロジェクトなどに応じ、また建築と教育とのたゆまぬ対話の中で、相互に作用し、変化し、形成されていきます。

 

17:00~18:30

美的感覚と学び、「アトリエ」の文化と「子どもたちの100の言葉」

子どもは100の言葉、100通りの考え方や自己表現、理解の方法、他者との付き合い方を持っています。これは、ひとつひとつの経験を別々に分けるのではなく、互いに組み合わせていく考え方を通して身につくものです。「アトリエ」では、研究や知識を得る過程における想像力、美的感覚、「100の言葉」という考え方を重視しています。「アトリエ」は、保育園や幼稚園という空間における対話の実験場なのです。

 

 

お問い合せ:corsi.iictokyo@esteri.it Tel. 03-3262-4500

お申し込み方法

セミナーのお申し込みは下記の日程からいずれか一日のみでも受け付けております。

教職員の方、また、各種公共機関・団体に於いて教育に関わる事業・業務に従事されている方は、「教育関係者」をクリックしてください。

その他の方は「一般の方」をクリックしてください。

セミナー1日目 10月25日(金)

教育関係者のお申し込みはこちらをクリックしてください。

一般の方のお申し込みはこちらをクリックしてください。

セミナー2日目 10月26日(土)

教育関係者のお申し込みはこちらをクリックしてください。

一般の方のお申し込みはこちらをクリックしてください。

 

レッジョ・エミリア・アプローチ®は、成長の大きな可能性を秘め、権利を有する子どもの姿を理念の根底に置いています。子どもは全ての人間が持つ「100の言葉」を通して学び、他者との関わりの中で成長していきます。今や世界中で参考とされているこの教育プロジェクトは、レッジョ・エミリア市の保育園・幼稚園の中で日々実践され、進化しています。また、0歳から6歳の子どもの一貫教育も発展させてきました。

レッジョ・エミリア・アプローチ®の主な特徴:

・全職員が組織として関連性を持って働くこと

・毎日、複数の教育者や教師が、子どもと共にいること

・アトリエと「アトリエリスタ」(芸術専門家)の存在

・「味覚のアトリエ」として、施設内部に設けられたキッチン

・子どもたちは、環境からも学ぶということ

・知識を積み重ねていく創造的なプロセスを可視化するための「ドキュメンテーション(記録)」の作成

・教授学・教育学的なコーディネイト

・家族の参加

1963年にレッジョ・エミリア市で最初の市立幼児教育施設が正式にスタートして以来、長い道のりを経て、現在レッジョ・エミリア・アプローチ®は世界145ヶ所の国と地域で実践されています。

この歴史の中心人物はローリス・マラグッツィです。彼は、レッジョ・エミリア市や、多くの地元の行政官、市民(特に女性)とともに、レッジョ・エミリア市の保育園・幼稚園ネットワークの誕生・形成に貢献しました。

教育現場における子どもたちの権利を尊重するために、歴史的・社会的・政治的な側面と、文化的・啓蒙的・教育学的な側面を合わせながら、レッジョ・エミリア・アプローチ®を考察していきます。

レッジョ・エミリア市の保育園・幼稚園の子どもたちとともに実践された学習の「ドキュメンテーション」を見ながら、互いの教育実践を比較します。

 

 

講師プロフィール

マリーナ・カスタニェッティ

ミラノ出身。1982年から1999年まで、3歳から6歳の子どもを対象とするレッジョ・エミリア市立幼稚園”Diana”で教員として勤務。

ローリス・マラグッツィやヴェア・ヴェッキと共に、“Diana”校の歴史に残る活動を主導し、“子どもたちの100の言葉”展における数々のプロジェクトに携わる。2000年から2016年まで、レッジョ・エミリア市立幼児教育施設の、教育記録・研究センターの文献管理や活動のコーディネーターを務める。現在は、レッジョ・エミリアのローリス・マラグッツィ・インターナショナルセンターに本部を置くレッジョ・チルドレンの国際部門で、育成コースやコンサルティング活動の運営に携わる。

イタリア国内外を問わず、講師として、レッジョ・エミリア・アプローチに関する数々の会議、セミナー、育成コース、スタディ・デーに参加(オーストリア、ブラジル、中国、韓国、クロアチア、デンマーク、アラブ首長国連邦、フィリピン、ドイツ、日本、インド、イスラエル、ノルウェー、メキシコ、ニュージーランド、ポルトガル、イギリス、ロシア、スペイン、アメリカ合衆国、南アフリカ、スイス、ヴェトナム、クウェート)。

研究および出版物:

– “In viaggio coi diritti dei bambini” 監修マリーナ・カスタニェッティ、ラウラ・ルビッツィ、ヴェア・ヴェッキ、 出版レッジョ・チルドレン、 1995年

– “I cento linguaggi dei bambini” 展覧会カタログ、出版レッジョ・チルドレン、 1995年

– “Scarpa e metro”  市立ディアーナ幼稚園のプロジェクトによる、 文 ローリス・マラグッツィ、監修マリーナ・カスタニェッティ、ヴェア・ヴェッキ、出版レッジョ・チルドレン、1997年

– “Bambini, spazi, relazioni. Metaprogetto di ambienti per l’infanzia” 出版レッジョ・チルドレンードムス・アカデミー・リサーチ・センター、1998年

– “Rendere visibile l’apprendimento. Bambini che apprendono individualmente e in gruppo” 出版レッジョ・チルドレン、ハーヴァード大学 ゼロプロジェクト、2000年

– “Una città, tanti bambini. Memorie di una storia presente” – ローリス・マラグッツィ国際センターにおける歴史的展覧会カタログ  出版レッジョ・チルドレン、2009年

– “Mondi incantati” –ローリス・マラグッツィ国際センターにおける展覧会、2011年

– “Progetto Atelier cittadini “  ローリス・マラグッツィ国際センター、 2013年

– 欧州プロジェクトにおけるレッジョ・チルドレン研究グループ: “Care. Curriculum & Quality Analysis and Impact Review of European Early Childhood Education and Care” (European project: Call identifier: FP7-SSH-2013-2)  ユトレヒト大学、オックスフォード大学、ベルリン自由大学、オーフス大学、ルーヴェン・カトリック大学、ユヴァスキュラ大学、ミラノ・ビコッカ大学、ギリシャ・オープン大学、リスボン大学、ヴェストフォル大学、ワルシャワ大学と協同、2014年から2016年

-“Loris Malaguzzi and the Schools of Reggio Emilia” P.カリアリ、M.カスタニェッティ、 C.ジュディチ、C.リナルディ、V.ヴェッキ、P.モッス編  出版ラウトレッジ ロンドン/ニューヨーク、2016年

 

レッジョ・チルドレン 受賞歴

1991年、米国の週刊誌『ニューズウィーク』誌上で、幼児教育に関する国際的な有識者が、レッジョ・エミリア市の幼児教育施設の代表例として市立ディアナ幼稚園をとりあげ、これを世界で最も先進的な初期教育の場であると述べたことで、レッジョ・エミリア市の教育アプローチは世界的に知られるようになりました。

この教育実践に対し、これまで数々の賞が与えられました。以下はその一例です。

1992年 レゴ賞(デンマーク) 幼児教育への功績に対し、ローリス・マラグッツィに

1993年 コール財団賞(シカゴ、米国) レッジョ・エミリア市の運営による幼児教育施設に

1994年 国際アンデルセン賞(デンマーク) ローリス・マラグッツィのライフワークの集大成としてレッジョ・エミリア市の保育園・幼稚園に

1994年 地中海インターナショナルスクール協会(MAIS)認定 ローリス・マラグッツィを顕彰して、レッジョ・エミリア市の幼児教育施設に

2001年 イタリア共和国大統領カルロ・アゼーリオ・チャンピより金メダル賞 故・ローリス・マラグッツィの学校教育・文化・芸術への功績を讃えて

2002 “現代イタリアの巨匠”に対するノニーノ賞 レッジョ・エミリア市の幼児教育プロジェクトに

2015 レゴ賞(デンマーク) レッジョ・チルドレン財団 ー ローリス・マラグッツィ・センター代表のカルラ・リナルディに

  • 主催: イタリア文化会館
  • 協力: Reggio Children, Reggio Emilia Italia