詩歌は、日本でも西洋でも、古来より音楽と密接な関係を保ってきました。日本の『平家物語』が琵琶法師によってリズムをつけて語られたように、西洋では『イーリアス』の詩が詠唱され、ペトラルカの抒情詩などには曲が盛んに付けられました。ペトラルカと同じく14世紀を生きたダンテも、恋愛詩を題材にした歌にいつも己の心が慰められたと証言しています(『神曲』煉獄編第2歌)。16世紀になるとさまざまな詩歌のくだりがマドリガーレと呼ばれる世俗歌謡の歌詞となり、人々は耳からも詩作品の場面に接したことでしょう。作曲家たちにとって詩人たちはいわば相棒であり、両者は詩歌や音楽をたしなむことが大切とされた宮廷に出入りし、貴族たちの要望に応えようとしたのです。本催しでは、マドリガーレ・アンサンブルDolceAmaroの演奏により、ルネサンス末期に優れた抒情詩を数多く詠んだフィレンツェの詩人ジョヴァン・バッティスタ・ストロッツィと、叙事詩『解放されたエルサレム』の作者として名高いトルクヮート・タッソの詩に関する曲を披露します。
2026年1月30日(金)18時30分(開場18時)
イタリア文化会館ホール
主催:イタリア文化会館
お申し込み方法:こちらをクリックしてください。
お問い合せ:eventi.iictokyo@esteri.it
入場無料
プログラム監修:ロレンツォ・アマート、水野留規
歌唱・演奏コーディネート:DolceAmaro
森有美子(ソプラノ)、森川郁子(ソプラノ)、横瀬まりの(アルト)、中村康紀(テノール)、阿部大輔(バス)
シルヴィア・ロッシ(チェンバロ)
赤津眞言(ヴァイオリン)、小野萬里(ヴァイオリン)
プログラム
第1部 ジョヴァン・バッティスタ・ストロッツィ
解説:ロレンツォ・アマート(イタリア語)
歌唱・演奏
第2部 トルクヮート・タッソ『解放されたエルサレム』
解説:水野留規(日本語)
歌唱・演奏
*第1部の解説時には和訳を、第2部の解説時にはイタリア語訳をスクリーンに投影します。
*詳細なプログラムは、当日会場にて配布します。
ロレンツォ・アマート Lorenzo Amato
東京大学文学部・大学院人文社会系研究科准教授。専門はルネサンス期のイタリア文学とイタリア文化、特に1500年代末のフィレンツェで活動した詩人たちとネオ・ラテン語に関わる研究に従事する。日本国内や国際的な学術機関誌に論文を多数投稿し、諸原典の本文校訂、人物紹介にも寄与する。近年はジョヴァン・バッティスタ・ストロッツィの全集の編纂に取り組み、イタリア・日本間の文化交流の促進にも尽力する。
水野 留規 Ruki Mizuno
愛知県立芸術大学名誉教授。現在は同志社大学などで教鞭を執る。主たる研究領域は16世紀のイタリア文学で、イタリア語教育、イタリア文化、日伊交流の領域でも活動する。2026年中に『解放されたエルサレム』の翻訳を刊行予定。
シルヴィア・ロッシ Silvia Rossi
パルマ音楽院で声楽とピアノの学位を取得し、アレッサンドリアで合唱指揮を学ぶ。1991年からボローニャ音楽院正規教員として合唱を指導し、2025-26年度は生誕地のパルマにて教鞭を執る。イタリアおよび海外のオペラ劇場でも音楽活動を展開し、日本でも西宮の劇場や長久手の音楽教育機関でオペラ公演・文芸企画に参画する。
ドルチェアマーロ DolceAmaro
16-17世紀のイタリアのマドリガーレを専門に扱うアンサンブル。当時使われていたオリジナルの印刷譜を使用し、6音のソルミゼーションを用いて読譜を行う。「言葉が音楽の主人である」ことを念頭に置くことで、当時の音楽家たちが感じていたであろう音楽を再現する。