2000年7月20日、イタリア議会は1945年にソ連軍によってアウシュヴィッツ強制収容所が解放された1月27日を「記憶の日」(Giorno della Memoria)と名付け、公式な記念日としました。
これは、ショア―や人種法の犠牲者、移送や監禁、政治的理由により死にいたった人々と、虐殺計画に反対し、迫害された人々を守り、命を救ったすべての人々を記憶する日として定められました。
そしてこの時期、ナチスの収容所でユダヤ人など被収容者の身に起こったことを記憶し、二度とこのような惨事が繰り返されないために、さまざまな熟考の場や機会が提案されています。
今回イタリア文化会館では、クレズマーやイディッシュの音楽を旅するオンラインコンサート(1月26日~、50分)とドキュメンタリー映画上映会(1月27日)を開催します。
これらの音楽は400年にわたる歴史をもち、東欧からアメリカに渡り、G.ガーシュウィン、B.グッドマン、M.カッツ、J.ゾーンの音楽を通してジャズに影響を与えました。
本コンサートでは、クレズマー音楽を代表するイタリア人演奏家G.コーエンが、B.エラモをスペシャルゲストに迎え、ピアニストのP.ルッスとともに演奏します。
ガブリエーレ・コーエン クラリネット
ピエトロ・ルッス ピアノ
バルバラ・エラモ ヴォーカル
プログラム
M.ヴァーシャフスキー Oyfn Pripetshik(Sul Focolare, 炉を囲んで)
M.ゲビルティグ Kinder Yorn(Anni dell’infanzia, 幼少時代)
A.ゴールドフェドン Rozhinkes mit mandlen(Uva passa e mandorle, 干しぶどうとアーモンド)
S.セクンダ Dona Dona(Dona Dona, ドナドナ)
S.カチェルギンスキ Friling(Primavera, 春)
S.セクンダ Bay Mir Bistu Sheyn(Per me sei bellissima, 私にとって君は美しい)
Glik(Fortuna, 幸運)
H.ヤブロコフ Papirosn(Sigarette, タバコ)
セファルディムの伝承歌 La rosa enflorece(La rosa fiorisce, バラの花が咲く)
イタリア文化会館のYoutubeでご視聴いただけます。
こちらをクリックしてください。
お問い合せ: eventi.iictokyo@esteri.it
ガブリエーレ・コーエン クラリネット
Gabriele Coen, clarinetto
サックス、クラリネット奏者、作曲家。長年、民族音楽、特に地中海や東欧の音楽とジャズが融合した音楽に取り組んでいる。ユダヤ音楽を現代風にアレンジして再評価しているイタリアのグループKlezRoymを創設し、これまで5枚のCDをリリース。1996年から2004年までイ・ソリスティ・ディ・ローマと多数共演する。エマヌエーレ・クリアレーゼ監督の映画Once we were strangersやルカ・カルヴァネッリ監督作品A gennaioの音楽をKlezRoymで担当する。またM.リヴェーラとはダヴィデ・マレンゴ監督作品「あのバスを止めろ」(Notturno Bus)や、2010年のイゾッタ・トーゾ監督の「ヴィットーリオ広場のエレベーターをめぐる文明の衝突」(Scontro di civiltà per un ascensore a Piazza Vittorio)の音楽を手がける。2011年、イタリアのジャズ誌Jazzitからイタリアの優れたサックス奏者の7位に選ばれる。2013年1月CD Yiddish Melodies in Jazzをリリースする。Circo Diatonico、Piccolo Banda Ikonaなど多くのミュージシャンと共演をしている。
ピエトロ・ルッス ピアノ
Pietro Lussu, pianoforte
1971年ローマ生まれ。幼い頃からピアノを学ぶ。1996年、ヨーロッパ・ジャズ・コンテストでロザリオ・ジュリアーニ・カルテットのメンバーとして第1位をとる。その後、世界各地で演奏活動を行うようになる。その洗練された音楽性により多くのCD制作に参加し、その数は現在50枚以上を数える。2019年、レーベルGibigiana Record Alice Ricciardiを立ち上げ、Catch a falling starをリリースする。2018年にはG.コーエンとともにJewish Jazz!に参加。ユダヤ音楽がジャズと融合するこのプロジェクトにおいて、イタリア・ユダヤ共同体連合で開催された、ジゼル・レヴィ監修によるレクチャーでライブ演奏をした。
バルバラ・エラモ ヴォーカル
Barbara Eramo, voce
タラント生まれ、ローマ在住。自身のルーツを保ちながらもビョーク、トーリ・エイモス、ニック・ドレイクなど世界的シンガーの歌声を思い出させる声で多くの人を魅了している。ニコラ・ピオヴァーニはじめイタリアを代表する音楽家と多数共演している。