精神保健の普及啓発を目的とした世界精神保健デー(世界精神保健連盟が定め、世界保健機構(WHO)が協賛する毎年10月10日の国際記念日)にちなみ、ミャンマー・イタリア・日本の関係団体が精神保健に関連するイベントを実施します。
今年の世界精神保健デーのテーマは、Mental Health is a Universal Human Rightです。メンタルヘルスの問題は、日々の生活や仕事、家族、コミュニティに存在し、だれにでも影響を与えます。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの中でも、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らすことができることを目指し、障害者の社会参加や市民への障害に対する普及啓発の重要性が謳われています。障害者の社会参加の在り方の一つとしての芸術活動の可能性を、絵画や演劇などの表現活動の中で垣間見ることができる企画です。
今回のイベントの内容は以下の通りです。
・精神障害者による絵画の展示
・精神保健に関してのイタリア、ミャンマー映画の上映
・精神保健に関して、特に精神障害者の地域活動としての芸術表現活動についてのシンポジウム
無料、全席自由、要申込
お申し込み方法:こちらをクリックしてください。
お問い合せ:東京ソテリア事務局 Tel. 03-5879-4970
E-mail info@soteria.jp
プログラム
14:00 開場 バーギャラリーにて絵画の展示
14:30 短編劇
15:00 開会
15:30 アウトサイダーアート講評
16:00 精神保健に関する映像作品上映
Heart Broken Bird (ミャンマー)
Di Bambini e Bellezza (イタリア)
17:00 シンポジウム 「こころの健康は普遍的な権利」と言えるか
イヴォンヌ・ドネガーニ(ボローニャ精神保健局 精神保健元局長)×清恵子(著作家、キュレーター、メディア・アクティビスト)
17:50 閉会
Heart Broken Bird(2015、ミャンマー、42分)
2017年、政治の改革期における精神科診療所の、開設当初を追ったドキュメンタリー。双極性障害を抱える若きアーティストが、自身の問題に立ち向かい、芸術家となることを求める姿に焦点を当てる。成長と挑戦の軌跡に沿いながら、社会のなかで直面する困難と秘めた情熱とが交錯する現実の物語。ビルマの歴史的な変革期におけるこころの健康とアート、その重要性をテーマに、人間の内なる強みを探求する。
Di Bambini e Bellezza(2020、イタリア)
2020年アウトサイダー・アートフェスティバルのために制作されたこのビデオ作品は、アイロニック、そして、詩的に“美しい”とは何かを表現している。大人は、往々にして、子供たちを楽しませることに満足し、子供たちにも“美”に対する権利があることを忘れてしまっている。何が好きなのではなく、それは、私たちにとってどのように必要なのか、どんなことを考えさせてくれるのか、美を感じるために私たちの存在を満足させるものとは何なのか。美とは、形と内容の微妙なバランスの探求なのでは。重さと軽さの間にあるのか。または、笑顔と涙の間にあるのか。私たちがつくる児童向け演劇のなかにそれを見つける。
イヴォンヌ・ドネガーニ Ivonne Donegani
精神科医、エミリア・ロマーニャ州立ボローニャ地域保健連合機構精神保健依存症局前局長。2017年、公職を定年退職後も精神科医としての医療、また、精神障害者の地域支援、特に演劇を始めとする芸術活動へ大きな力を注いでいる。2014年より、ボローニャ精神保健局とNPO法人東京ソテリアとの精神保健普及啓発および障害者支援共同プロジェクト(ボローニャ精神保健サービス視察・交流ツアー、イタリア、日本国内でのシンポジウム、日伊精神障害者就労支援プロジェクト、ボローニャ精神保健局利用者がプロフェッショナルとして活動する“アルテ・エ・サルーテ”劇団の日本公演招聘、専門職による研究など)を中心的にサポートしている。
清 恵子 Sei Keiko
著作家、キュレーター、メディア・アクティビスト。日本でビデオギャラリーSCANのディレクターおよびビデオキュレーターを務めた後、東欧に移り、メディアを使った社会変革に参加する。2002年に東南アジアに移り、ミャンマーとタイを中心に活動。ミャンマーでは映画教育を始め、同国初の自主映画祭「ワッタン映画祭」の立ち上げに関わる。チェコやドイツの大学ではメディアアート・アクティ日ズムを教える。オーストリアの「Springerin」誌特派員。「documenta 12 magazines」編集員。
主催:特定非営利活動法人東京ソテリア
共催:イタリア文化会館
協力:エミリア・ロマーニャ州立ボローニャ地域保健連合機構精神保健局、エミリア・ロマーニャ演劇財団、アルテ・エ・サルーテ APS、株式会社マザーズ、株式会社シロシベ
後援:東京都、千代田区
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[芸術文化による社会支援助成]