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日本の漫画における古代ギリシャ・ローマ 西洋古典の表現とグローバルな時代への貢献

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日本のサブカルチャーの境界を超え、漫画は今や国際的な人気を誇るグローバルな文化現象として、若い世代に古典古代(古代ギリシャ・ローマ)のテーマを身近に感じさせる役割を果たしています。このパネル討論では、漫画に描かれる古代ギリシャ・ローマの特徴について議論し、それらの文化が日本的視点を通じてどのように翻案・再解釈されているのかを考察します。
著名な漫画家のヤマザキマリ氏と里中満智子氏、東海大学教授の中村るい氏、関西大学准教授のカルディ・ルチャーナ氏が登壇し、漫画が描き出すギリシャ・ローマ古典への多様なアプローチについて議論します。さらに、漫画の作風や表現形式が西洋古典の描写に与える影響についても考察します。また、日本人漫画家によって再解釈された西洋古典の要素が、漫画のグローバルな人気を通じて発祥地に「帰還」し、ヨーロッパの新しい世代の読者に古典への新たな関心を呼び起こす現象についても取り上げます。
(日本語のみ)

*関連事業として、2025年1月11日、12日に慶應義塾大学で国際シンポジウム「Receptions of Greek and Roman Antiquity in Japan」(日本における古代ギリシア・ローマの受容)が開催されます。

 

2025年1月13日(月)18時30分(開場18時)~20時
イタリア文化会館ホール
主催:イタリア文化会館、在日イタリア大使館
*日本における西洋古典受容に関する国際共同研究:近世からグローバル化の時代へ(日本学術振興会科研費 24K00054助成)
お申し込み:こちらをクリックしてください。
お問い合せ:eventi.iictokyo@esteri.it

里中 満智子 Satonaka Machiko
マンガ家。1948年1月24日大阪生まれ。1964年、16歳の時に『ピアの肖像』で第1回講談社新人漫画賞受賞。プロ活動に入り、2024年で画業60年となる。代表作に『あした輝く』『狩人の星座』『アリエスの乙女たち』『海のオーロラ』『あすなろ坂』『天上の虹』『古事記』『ギリシア神話』『旧約聖書』等多数。2006年文部科学大臣賞、2010年文化庁長官表彰、2014年外務大臣表彰、2023年文化功労賞等受賞。(公社)日本漫画家協会理事長/(一社)マンガジャパン代表/NPOアジアMANGAサミット運営本部代表/大阪芸術大学キャラクター造形学科学科長等も務める。

ヤマザキマリ Yamazaki Mari
漫画家・文筆家・画家。東京造形大学客員教授、日本女子大学特別招聘教授。1984年に渡伊、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。2010年『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞2010および第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。2024年『プリニウス』(とり・みきと共著)で第28回手塚治虫文化賞のマンガ大賞受賞。著書に『ヴィオラ母さん』『ムスコ物語』『歩きながら考える』など。現在、『続テルマエ・ロマエ』を集英社「少年ジャンプ+」で連載中。

中村 るい Nakamura Rui
専門はギリシャ美術史。東京都出身。東海大学文化社会学部ヨーロッパ・アメリカ学科教授。東京芸術大学卒業後、米国ハーバード大学の大学院博士課程でギリシャ美術史の研究に従事(1988~1994年)。イスラエルのカエサリア遺跡で共同発掘に参加(1991年)、また1992~1993年、米国古典学研究所(アテネ)に留学し、ギリシャ各地の遺跡をまわる。現場での経験を踏まえて、著述活動を行っている。主な著書に『ギリシャ美術史入門』(三元社、2017年)、『古代地中海世界の歴史』(共著、ちくま学芸文庫、2012年)など。

カルディ・ルチャーナ Cardi Luciana
イタリア・ラツィオ州出身。関西大学文学部准教授。専門は比較文学(日本文学・英米文学)。研究プロジェクト「日本における西洋古典受容に関する国際共同研究:近世からグローバル化の時代へ」の代表者(日本学術振興会科研費 24K00054の助成)。主な著書に『Receptions of Greek and Roman Antiquity in East Asia』(共著、Brill、2019年)、『Re-Orienting the Fairy Tale: Contemporary Adaptations across Cultures』(共編著、Wayne State UP、2020年)など。

 

(画像:左「オリンピアの詩 」里中満智子、右「テルマエ・ロマエ」ヤマザキマリ)