中世に始まるカンツォーネ・ナポレターナは現代まで数多くの名曲を生み出してきました。日本とイタリアが国交を樹立した1860年代に作られたカンツォーネの多くは、それ以前の民謡、大衆歌謡の域を脱し、職業的な作者の手によって生み出されるようになり、1880年代から始まる「カンツォーネの黄金時代」の先駆けとなる名曲が数多く作られました。 そして今から100年前となる1910年代は第1次世界大戦の嵐が吹き抜け、多くの南イタリア人移民がアメリカ大陸へと渡り、映画やレコードが発明され、カンツォーネにも大きな影響を与えた「カンツォーネの白銀時代」を迎え、カンツォーネ文化が爛熟します。さらに50年後の1960年代、イタリアは戦後の混乱を乗り越え驚異の経済発展を遂げ、サンレモ音楽祭などから数多くの世界的なヒット曲が生まれました。
青木純は日本のカンツォーネ界で唯一カヴァリエーレ勲章を受章。歌手であると当時に訳詞家であり、古典カンツォーネ・ナポレターナの研究家としても活躍。叙情的で哀感に満ちたその美声と歌唱には定評があります。
カンツォーネの150年間の歴史と日伊の歴史を追いながら、伝統的なギター伴奏によるクラシカルなカンツォーネ、そしてエレクトーンの華やかな音色に彩られた現代的なカンツォーネをお楽しみください。
プログラム
☆150年前:告白(Na ‘mmasciata), 漕げ漕げ (Voca voca), 贈り物 (Lo rialo), さらばナポリ (Addio a Napule)
☆100年前:美しい日々 (Tienpe belle ‘e ‘na vota), レジネッラ (Reginella), 初恋の女 (‘A primma nnammurata), 遙かなサンタルチア (Santa Lucia luntana)
☆50年前:ディオ コメ ティ アーモ (Dio, come ti amo), 君に涙と微笑みを (Se piangi, se ridi), 花咲く丘に涙して (Le colline sono in fiore) 他
お問い合せ:Tel. 03-3264-6011(内線13) E-mail: eventi.iictokyo@esteri.it
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青木 純 Aoki Jun 歌とギター
柴田 杏里 Shibata Anri ギター
中島 純子 Nakajima Junko エレクトーン
青木純 歌とギター Aoki Jun, voce e chitarra
国立音楽大学声楽科卒業後3年間イタリア留学。帰国後、東宝の「マイフェアレディー」フレディ役、平成2年度文化庁芸術祭賞受賞作品「うたよみざる」に主演するなど数多くのミュージカルやオペラ、オペレッタに、歌って踊れて芝居の出来るテノールとして活躍する。同時に、日本を代表するカンツォーネ・ナポレターナ歌手として数々のコンサートを開く。また、歌いやすく、分かりやすく、原曲の意味を忠実に伝える訳詞も数多く書いている。2005年イタリア大統領から「イタリア連帯の星騎士勲章」を受章し、「カヴァリエーレ」の称号を得る。イタリアのベルルスコーニ元首相来日時に歓迎レセプションで独唱したほか、在日イタリア公的機関の公式行事にも数多く出演。イタリア文化会館アートラボ講師。NHKカルチャー横浜ランドマーク校講師。自ら企画し案内するイタリア・ツアーも好評。
柴田杏里 ギター Shibata Anri, chitarra
スペインのマドリッド王立音楽院を首席で卒業。ナルシソ・イエペス、ホルヘ・アリサ氏他に師事。第4回マヌエル・パウラ・ギターコンクール第1位、同時にバレンシア・フィルハーモニー賞を受賞するほか、数多くの国際ギターコンクールに優勝、入賞し欧米にて日本人ギタリストの名声を高めた。ニューヨークのカーネギーホール等、世界各地で招待演奏を行うほか、国際コンクールの審査員としても活躍する日本を代表するギタリスト。青木純との共演は1985年以来31年間に及ぶ。
中島純子 エレクトーン Nakajima Junko, piano elettrico
洗足学園大学電子オルガン科卒業。子供の頃からエレクトーンを学び、度々コンクールで優秀な成績を収める。音楽高校時代には声楽も学んだ。青木純のコンサートで伴奏、編曲をてがける。日本のエレクトーン界きってのカンツォーネ奏者として活躍している。