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講演会「世界に散らばるイタリア系移民:Italian Diaspora Studiesへの招待」

「イタリア系移民」と聞いて、みなさんはなにを思い浮かべますか? 映画「ゴッドファーザー」が描くマフィアの世界、あるいは、リトル・イタリーで賞味するミートボール・スパゲッティ……? 19世紀末から20世紀にかけて、イタリアの移民は北アメリカのみならず、世界中に散らばっていきました。今日においてもなお、世界各地にはイタリア系のコミュニティが点在し、祖父母(あるいは曾祖父母)の記憶や物語を受け継いでいます。今回のイベントでは、南伊のカラブリア大学からマルゲリータ・ガネーリ教授をお招きして、イタリア系移民の文化や歴史についてお話しいただきます。ガネーリ教授は2014年に「イタリアン・ディアスポラ・スタディーズ」という研究プロジェクトをスタートさせ、イタリア内外の研究者と連携しながら、世界に離散したイタリア人のコミュニティについて調査を進めています。聞き手は、留学時代にガネーリ教授の講義から多くを学んだという、翻訳家の栗原俊秀氏。移民文学の話題とも絡めながら、イタリア系移民が築いた豊かな文化の一端を紹介していきます。(日伊逐次通訳付)

 

お申し込み方法:こちらをクリックしてください。
お問い合せ: biblioteca.iictokyo@esteri.it  Tel. 03-3264-6011(内線23)

 

講師プロフィール

マルゲリータ・ガネーリ (Margherita Ganeri)
カラブリア大学人文科学科教授。専攻は現代イタリア文学。2014年に「イタリア系アメリカ移民の文化・文学」の講義を開設し、以降は毎年、北米の大学から研究者を招いて授業を行っている。現在、研究プロジェクト「イタリアン・ディアスポラ・スタディーズ」を主宰し、世界に散らばるイタリア系移民の文化や歴史について調査を進めている。イタリアの歴史小説にかんしても造詣が深く、19世紀から20世紀初頭にかけて活躍した作家 Federico De Robertoの専門家としても有名。著書に、Il romanzo storico in Italia(「イタリアにおける歴史小説」)、L’America italiana. Epos e storytelling in Helen Barolini(「イタリアのアメリカ:ヘレン・バロリーニの物語に見る口承の語りについて」)など。

 

栗原俊秀 (くりはら としひで)
1983年生まれ。翻訳家。京都大学総合人間学部、同大学院人間環境学研究科修士課程をへて、イタリアへ留学。カラブリア大学文学部専門課程近代文献学コース卒業。ジョン・ファンテ、カルミネ・アバーテ、アマーラ・ラクースなど、「イタリアと移民」に関係のある作家を精力的に日本に紹介している。2016年、カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(未知谷)で、第2回須賀敦子翻訳賞を受賞。現在、NHKテキスト「まいにちイタリア語」(月刊)にて、『ピノッキオの冒険』の対訳を連載中。

 

イタリアン・ディアスポラ・スタディーズ(Italian Diaspora Studies)とは
イタリアン・ディアスポラ・スタディーズ」は、カラブリア大学のマルゲリータ・ガネーリ教授が2014年に発足させた研究プロジェクトです。19世紀以降、イタリアからは多くの移民が国外へ旅立っていきました。「イタリアン・ディアスポラ・スタディーズ」は、世界各地のイタリア系コミュニティやその文化に焦点を当てながら、地理的・時間的に大きな広がりを持つイタリアの「ディアスポラ(離散者)」について考究します。

ガネーリ教授が教鞭をとるカラブリア大学では、イタリアの国公立大学では唯一、イタリア系アメリカ移民の文化・文学をテーマとした講義が開講されています。カラブリア大学は、ニューヨーク市立大学のCalandra Italian American Instituteをはじめ、北米のさまざまな研究機関と連携しながら、イタリア移民をめぐる国際的な研究拠点を確立しようとしています。かつて多くの移民を送り出し、今日にあってはヨーロッパの移民・難民問題の最前線にいるカラブリアは、こうしたプロジェクトに取り組むうえで理想的な土地であるといえるでしょう。

主催:イタリア文化会館
後援:カラブリア大学、イタリアン・ディアスポラ・スタディーズ

 

 

  • 主催: Istituto Italiano di Cultura