指揮者ガエタノ・デスピノーザ氏監修によるイタリア文化会館コンサートシリーズ第15弾は、スペイン出身のアマヤ・フェルナンデス・ポスエロによるチェンバロコンサートです。
ドメニコ・スカルラッティは、ナポリ生まれのチェンバロ奏者、作曲家で、ローマやヴェネツィア、後にはマドリードやリスボンの宮廷でその才能を開花させました。彼はイベリア半島の民衆音楽、特に15世紀に遡る伝統的なアンダルシアのロマ音楽であるフラメンコの要素を自分の作品に取り入れた最初の作曲家のひとりです。この影響が顕著な彼のソナタでは、ひとつひとつの音が明確な早いリズムと表現力豊かなメロディーが特徴的です。この音楽は当時のイベリア半島の音楽界にすぐに受け入れられ、スカルラッティの直弟子であるアントニオ・ソレールや、フェリックス・マキシモ・ロペス、マテオ・アルベニスの作品の誕生に影響を与えました。
本公演では、ポスエロがスカルラッティのソナタを中心に、ソレール、ロペス、アルベニスの作品も1曲ずつ演奏します。
使用楽器:草津夏期国際音楽アカデミー友の会所有 フランコ・バルキエッリ2018年制作フレミッシュ・チェンバロ
※演奏中は入場いただけません。18時30分以降はご入館いただけませんのでご了承ください。
2024年9月12日(木)18時30分(開場18時)
イタリア文化会館ホール
主催:イタリア文化会館
協力:インスティトゥト・セルバンテス東京
お申し込みの受付は終了いたしました。
お問い合せ:eventi.iictokyo@esteri.it
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プログラム
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)
・ソナタ ニ短調 K.1
アレグロ
アントニオ・ソレール(1729-1783)
・ソナタ第84番 ニ長調
アレグロ
ドメニコ・スカルラッティ
・ソナタ イ長調 K.208
アダージョ・エ・カンタービレ
マテオ・アルベニス(1755-1831)
・ソナタ ニ長調
プレスト・エ・ガイオ
ドメニコ・スカルラッティ
・ソナタ ニ短調 K.213
アンダンテ
フェリックス・マキシモ・ロペス(1742-1821)
・ミヌエ・アファンダンガドによる変奏曲 ニ長調
プレリュード・ラルゴ、アレグロ・モデラート、ヴィーヴォ
ドメニコ・スカルラッティ
・ソナタ ヘ短調 K.184
アレグロ
・ソナタ ハ短調 K.115
アレグロ
プロフィール
アマヤ・フェルナンデス・ポスエロ Amaya Fernández Pozuelo
チェンバロ、ピアノ、音楽学を学ぶ。世界各地で演奏活動を行うほか、ミラノのクラウディオ・アバード音楽学校でチェンバロと通奏低音の理論と実践を教えている。小さな空間で限られた聴衆に向けて演奏されていたチェンバロという楽器を、より多くの人たちに知ってもらうために尽力している。
長年にわたり、高度な演奏技術よりも楽譜の解釈に基づいたアプローチでバロック時代の音楽に取り組んでいる。演奏しながら作曲することと楽譜の間に生まれる空間をチェンバロを弾きながら探求している。バロック音楽の巨匠たちは作曲家である前に演奏家であった。多くの作品は即興によって生まれ、その後楽譜に書き起こされたのだ。どんなに完璧な楽譜であっても、生演奏には楽譜には書かれていない表現や緩急、間などが現れてくる。ポスエロはこの「もうひとつの楽譜」をチェンバロから引き出そうと試みており、これはStradivariusレーベルからリリースされたDomenico Scarlatti Alio modoやJ.S. Bach Alio modoに表れている。