イタリア文化会館の地所は、男爵三井高陽(みつい たかはる)が千代田区三番町にあった所有地を、文化会館設立のためにイタリア政府に寄贈したものです。1941年3月、新築の文化会館のオープニングは皇族も出席して行われました。文化会館の活動は第二次世界大戦中に中断し、建物も1945年の東京大空襲時に爆撃を受けて破壊されました。
1959年になってからようやく活動を再開し、翌年ホールが完成して、その後多くの文化催事が行われるようになりました。東京で唯一のイタリア専門図書室ができ、1997年からは急速にイタリア語教育も充実して、受講者数は年々増加の傾向にあります。イタリア文化会館は2001年の「日本におけるイタリア年」の、また「日本におけるイタリア2007・春」の文化催事に積極的に参画しました。
一方、歳月を経るとともに建物の老朽化が著しく進み、ついに全面的な建て替え工事が行われることとなりました。同じ地所に、イタリアの建築家ガエ・アウレンティによって設計され、2003年7月に工事開始、2005年10月に完成しました。 新棟舎は地下2階・地上12階建て、そのうち5階分が文化会館の施設となっています。
施設内には、総座席数372のホール、エキシビション・ホール、語学文化コースの教室9室、そして図書室があります。イタリアを愛する多くの方々が学び、またイタリア文化関連の様々な催事が行われています。
また、イタリア文化会館は「イタリアンシステム」の紹介という視点から、技術的・物質的所産とライフスタイルの表現としてのイタリア文化普及のために、日本の多くの機関の協力を得ながら活動しています。
歴代館長(1941年より)
ミルコ・アルデマンニ (1941-1943)
エンツォ・ジャキーノ(1959-1964)
ドメニコ・ギーオ (1964-1970)
ロマーノ・ヴルピッタ (1970)
アルマンド・ボッティ (1970-1972)
マリア・メウッチ(館長代理)(1972-1974)
ジョルジョ・デ・マルキス・ボナンニ・ドクレ (1974-1978)
ピエトロ・コッラディーニ (1978-1981)
ジョルジョ・デ・マルキス・ボナンニ・ドクレ (1982-1992)
マリア・ジュゼッピーナ・チェルッリ・イレッリ (1993-1996)
シルビオ・マルケッティ (1997-2002)
ジョルジョ・ジャコモ・カンパナーロ(館長代理) (2002-2003)
アルベルト・ナターレ・ディ・マウロ (2003-2006)
ウンベルト・ドナーティ (2006-2012)
ジョルジョ・アミトラーノ (2013-2016)
パオロ・カルヴェッティ (2017-2021)
シルヴァーナ・デマイオ (2022 – 現在)